知らざるを知らずと為す

野原こみち|2018年7月20日

自分が暮す場所から遠く離れたところで起きた悲しい出来事に思いを寄せるたび、どこにも投げかけることができない「なぜ?」が宙に浮かびます。

この時代は足りないものはないと思えるほど物であふれているはずなのに、肝心なときに、それを必要とする人には、何にも足りていないような気がするのです。皆が、過去から学び、理想を目指しているはずなのに、いつも調和から外れたところに大事なものが落ちていくような感覚が朧げにあります。

私はあまり、有事の時に実務的な行動に出ない人間かもしれません。しかし、テレビの向こうで起こっていることが自分には「関係のないこと」だと割り切ることもできません。

何かを「繋ぎたい」気持ちはずっとあります。それを私が生きているうちに形にするには、小さなことを重ねていくしか今は方法はなく、ひたすら目の前の日々を、できるかぎり真摯に受け止めて生きるという選択しかできません。立派なことを成し遂げる自信はないけれど、自分が希望を見出す先に何かを見つけられるように、目の前のことに向かっています。

あたらしいことを学ぼうとするたびに、思います。
「知らざるを知らずと為す是知るなり」

それでも知ることができた「なにか」が、いつか「繋がる」ことを信じています。

writer ライター

野原こみち

野原こみち

熱しやすく冷めやすく、興味の対象が移ろい易い性格ですが、小さな頃から本だけはずっと手放せません。古本屋は、多くのお店を巡るよりも、贔屓のお店に徹底的に通いつめる派。新刊を扱うお店も同じく。図書館は居心地重視。最近は南米の文学作品、幻想小説を偏愛気味です。
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熱しやすく冷めやすく、興味の対象が移ろい易い性格ですが、小さな頃から本だけはずっと手放せません。古本屋は、多くのお店を巡るよりも、贔屓のお店に徹底的に通いつめる派。新刊を扱うお店も同じく。図書館は居心地重視。最近は南米の文学作品、幻想小説を偏愛気味です。
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