紅染まり、山おおいに笑う

多羅尾 伴内|2025年9月8日

くじゅう、と呟くだけで、一気にあの頂、あの尾根、あの草原に行くことが出来る…
父親の影響からか、小学生の頃から、山野を舞台に駆け巡っていた。

初めての九重は、6年の時、久住山の山頂に立った。
それからは、春夏秋冬親しんだ。山が好きというよりも九重が好きだったと思う。
殆どが単独行だった。
季節に応じて、花は平治、夏の久住、秋は三俣か大船か、そして雪の中岳…坊がつるでテン泊、
法華院の露天風呂、満天の星…半世紀以上もの間、懐深く包み込んでくれた九重に心から感謝しております。

今回のミヤマキリシマ観賞登山では、下山途中で転倒し、頭と肩を強打し、手首を捻挫、我が身の衰えを実感した。
前回の三俣山の時は崖から転落しそうになったし、持病の腰痛を騙し騙し登ってきたが、
いまの状態では必ず大きな事故を引き起こし、他の登山者にご迷惑をお掛けする予感。

よって、改善しない限り、登山目的で九重には立ち入らないことに決めた。

久々に紅に染まる平治岳を観賞できた喜びも束の間、寂しさでリュックは一杯になってしまった。
千町無田という里までくると田植えが終わっていた。

ここは江戸時代に日田の侍たちが開墾した土地で、九重の清らかな水で田畑が潤っている。
風に揺れる苗を見ていると、また九重に来れるように身体を鍛え直す気分が湧いてきた気がした。

九重に来ると立ち寄る牧場のおばちゃん特製のアイス・ラムレーズンも背中を押してくれた!

writer ライター

多羅尾 伴内

多羅尾 伴内

酒と旅と歌をこよなく愛し、
それらが焚き火とともにあれば、千夜一夜の話を紡ぎ出す…
そんなステキな話をお伝え出来れば…遥か九州の地より、愛を込めて
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多羅尾 伴内
酒と旅と歌をこよなく愛し、
それらが焚き火とともにあれば、千夜一夜の話を紡ぎ出す…
そんなステキな話をお伝え出来れば…遥か九州の地より、愛を込めて
食卓に輝く太陽のようなお皿 Sunshine Drape サンシャインドレープ 東京∞散歩
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