映像制作を生業にしている。
テレビだけの時代から現在のようにYouTubeをに代表されるパーソナルな映像が氾濫する時代へと移り変わってきた。
私が子供の頃、世の中は好景気。テレビは現実離れした”憧れ”を見せてくれた。
現在は身近なことの情報を扱うことが多い。これは世の中の経済的な波も大きいが歴史の積み重ねで、放送業界が成熟したとも言える。
そして世の中のコンプライアンス意識の高まりから、
メディアが自主規制を高めたことがテレビが面白くなくなったと言われる1つの原因であると思う。
“誰にでもわかるように”と言うことを意識しすぎ、丁寧に説明するがあまり、
考えなくても見れるものが増えた気がする。
私が好きな釣りの番組などは、視聴者に考える余地を残しておくと言うことがある意味では優しさなのではないかと思っている。
魚を探す、釣り場を探す、釣り方を考える。釣りはそういったことが面白い遊びのはず。
それを全て伝えてしまっては、それを見た釣り人たちにとっては、釣りがただの”作業”になってしまうように思えてしまうだ。
自分が釣りに行ったとき、ドラマチックなことが起こる事などほぼ無い。
ましてや前々から日程が決まってる取材で凄い事が起こることなど、そもそもありえない話だ。
そう考えたときに釣果に囚われるのではなく、釣りの本質を追求する事がコンテンツの価値を最大限に高めると私は考えている。
先日とある家族の釣り旅に密着したコンテンツを作った。
その中では釣り方の説明や魚の説明などは皆無。
釣りの社会的価値をもっともっと伝えたいと最近は思っているので、
釣りというものが家族のコミュニケーションツールになっている美しさと、
それぞれの目的を持って解決していくと言う釣りの生涯スポーツの面を綺麗な映像で伝えたかった。
とかく釣り番組では釣り方の解説が番組の骨子になりがちだ。
それは”教えてあげたい”という親切心もあってのことなのだから、
解説を入れれば入れるほどに、”難しそう”と伝わってしまう事を感じていた。
そしてそれは”釣りが好きな人”しか結果として見なくなる。
今回のようなコンテンツは釣りをしない人でも楽しく見ていただけると思っている。
writer ライター

岡野伸行
西中国山地の麓で育ち、魚釣りが日常にある幼少期を過ごす。
大学では水産学を学び、魚が日常にある生活を送る。
大学卒業後は釣り番組の制作会社で、釣り人が日常にいる日々を過ごす。
2023年に独立し、H.I.T. FILMSの屋号で活動開始。
商業的ではなく作家性のある釣りの映像作品を制作。
釣りを人生で一周し、現在は冒険的なフライフィッシングを好み、
釣り旅のことばかりを考える毎日を送る。
H.I.T. FILMS
https:/hitifilms.jp