先日、久しぶりに博多まで新幹線で移動しました。
鉄道が好きな私は、今で言う「鉄っちゃん」なのかもしれません。
どうしてこんなに鉄道が好きになったのか・・・
幼い頃から電車道や、列車が通る界隈に住んでいたからなのかもしれません。
でも、本気で好きになったのは高校生の頃。
当時、東京~博多間を寝台特急が走っていたので、
年に数回行き来していました。
時刻表を片手に、各駅停車のいわゆる「どんこう」列車で、乗り継ぎ
どこまで行けるかなど、1人で旅することが好きだったのです。
横道にそれてしまいましたが、
博多までの新幹線では、本2冊読めるのが楽しみのひとつです。
この日は年末に買った原田マハさんの「星がひとつほしいとの祈り」と
時刻表が旅のお供でした。(時刻表も案外見ごたえあるのですよ
「星がひとつほしいとの祈り」は、7つの物語からなる本でした。
母と娘の話がいくつかあり、ちょうど、博多へは母の七回忌へ向かうところだったので
感慨深く、読み進める速度もつい速くなりました。
そして、「長良川」というお話では、50代で夫をがんで亡くした妻が
その1年後、娘とその婚約者と共に長良川の鵜飼いへ出かけるところから物語は始まりました。
そこはかつて夫と旅した地でもあった。というお話。
この物語では、自分と重なる思い出や地名も出てきて、ついこみ上げるものがあり
不甲斐なく涙してしまいました。
通路隔てたあちら側の男性が、ちょっと心配した様子でチラチラとこちらを見られていたような。
恥ずかしくて顔をあげる事が出来ませんでした。
しかし、ここ数年我慢していた感情が
新幹線の心地よい揺れと、流れていく景色のおかげで一度にあふれ出て
思い切り泣けたことで、清々しい気分になれました。
(この日予約した車両は、岡山から博多までは私ともう2人という乗車率で助かりました w)
お陰で、母が眠るお寺に着いた時には
笑顔でただいま!の挨拶が出来ました。
何も考えずに手の取った一冊でしたが
こんなに救われるとは・・・
writer ライター

編集部
趣味のフライフィッシングをいつまで続けられるかが最大のテーマ。
昔流行った「脳内メーカー」によると
私の頭はすべて「食」によって構成されているようです。
しかし食以外でも、人の手が関わった仕事やモノ・コトが大好きです。