ある日の素敵なお話

LM|2024年11月18日

まだ、暑さの残る初秋の頃に一通のお問合わせがありました。
「家人へ贈ろうと思いますが・・・」というもの。

伝統を守り続けるリトアニアリネンの老舗から届いた厚地の生地で
提案しているコートにご注文を戴きました。

文面からお若い方ではなく少し落ち着いたご年齢層と拝察しながらも、
贈り物でしたらサプライズ感を大切にしたいと思いますので、
大体の身長と肉付きの雰囲気さえお知らせ戴けましたらお仕立て致します・・・と対応し、お返事を待った。

数日して、家人(奥様)へさりげなくインタビューされたとのお返事が届いて、
すらりとした方だとわかり、着丈だけ1cm長くお仕立てすることに決まった。

「このコート、素敵だと思わない?」と切り出したのだそう。
なんて柔らかな、素敵な会話だろう・・・感激してしまった。

サプライズではなくなったものの、とても楽しみにしていて下さっている。
お仕立ての順番が来たので、裁断を終えてこれから縫製に向かおうというところ。
お顔も存じ上げないお客様ですが、想像を膨らませながら、幸せな気持ちでお仕立てに向かっている。
こういうエピソードに出会うたび、このお仕事の素晴らしさを実感し背中を押していただいている。

writer ライター

LM

LM

モード評論、アパレルMDを経て独立。
約10年の山暮らしを経て、東京にUターン。
天然素材の服と雑貨のアトリエを運営。

HP: アトリエ「&R」
http://and-robe.shop-pro.jp/
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モード評論、アパレルMDを経て独立。
約10年の山暮らしを経て、東京にUターン。
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