急に秋らしくなりましたね・・
朝晩は涼しく、空は高く、虫が鳴くようになって、
長すぎた猛暑からよくやく解放され身も心もなんとなく軽やか。
長袖一枚でさらっと出掛けられる秋がとても貴重になりましたよ、さぁ短い秋を楽しもう！と思います。

アトリエは、冬のコートに着手しながら、
10月開催の企画展にむけ作品を送り出したところです。

久しぶりにお誘いいただいた企画展は、400年余り前のイギリスに遡ります。
占星術師でありハーバリストであるニコラス・カルペパーの世界観がテーマ。

このお話を戴いた時、大好きな分野なので心躍り、楽しみながら試行錯誤の日々でした。
400年前といえば、日本は江戸時代、西洋は17世紀。

星と人間と薬草の結びつきに気づき、研究し広めていたカルペパー。
17世紀の医者は、天体を通して人の病を理解し、
治療にはその臓器などに結びつきのある薬草や鉱物を自然界から採取し使用していました。
大胆に割愛しますと、キャベツが胃腸に良いのはこの理論からです。
かすかな夜星を見上げて、400年余り前に想いを馳せ、現代生活に寄り添う2型にまとまりました。

占星術師のイメージはフードのある黒いマントを浮かべますが、
リネン素材は邪気を祓い、黒色とフードは他との遮断のための意味を持っていました。

今回私は、調香師のイメージからホワイトでサンプルを作成しました（カラー展開に黒もあります）
小さめのフード、中世の装いにインスパイアされ、香り立つ花のような袖、
手さばきの良い始末、あえてドラマチックに「調香師のローブコート」としました。

もう一方「占星術師のリーディングコート」を加え、
渾身の2型は数着のみの制作ですが、よいご縁が繋がりましたら、とても嬉しいです。