なんでもない日々

野原こみち|2024年9月23日

家族が体調を崩し、しばらく東京を離れていました。

いつか来るとはわかっていても、なかなか現実を受け入れがたかったり、ひとの運命というものに心を痛めたりすることもありますが、何よりも、今この時間を大切に一緒に過ごせるということが、どれほど得難いものか。そういうことを感じ、日々をできるかぎりほがらかに過ごすことが、わたしにできることなのでしょう。

一瞬一瞬が、宝物のような時間だと感じています。
そう思い始めてから、なぜか、時間の流れと自然のなかで五感が鋭敏になり、意識やものの感触、空気の匂いがはっきりとしてくるような、不思議な感覚になりました。

この世に生まれたものは、並べて、いつかはこの世を去っていく。
あたりまえのことなのに、それを、あたりまえに受け入れることがむずかしい。
振り返ればなんでもない日々がきらめき、過ぎてしまった時間が惜しい。
だからこそ、“今”という時を、いつもたいせつにしなければいけないのだと思います。

なんでもない日々に、最高の「ありがとう」を。

Photo by Susumu Hamada

writer ライター

野原こみち

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熱しやすく冷めやすく、興味の対象が移ろい易い性格ですが、小さな頃から本だけはずっと手放せません。古本屋は、多くのお店を巡るよりも、贔屓のお店に徹底的に通いつめる派。新刊を扱うお店も同じく。図書館は居心地重視。最近は南米の文学作品、幻想小説を偏愛気味です。
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熱しやすく冷めやすく、興味の対象が移ろい易い性格ですが、小さな頃から本だけはずっと手放せません。古本屋は、多くのお店を巡るよりも、贔屓のお店に徹底的に通いつめる派。新刊を扱うお店も同じく。図書館は居心地重視。最近は南米の文学作品、幻想小説を偏愛気味です。
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