夏の英国帰省

ケーシー綾子|2024年9月10日

7月末から3週間。英国に帰省してきました。
円安のため昨年同様、直行便でなくシンガポール経由。

ロンドンに着いて数日間、友人宅に滞在しました。
5年振りだったので子どもたちもすっかり成長し、来年就職を控える大学生と大学受験を目指す高校生になっていました。
変わらず気さくな友人家族とロンドンの街並みに和まされ、英国モードにスイッチオン!

今回は義母の住むウェールズの家に行く前に、休暇で3週間ウエストサセックス州の小さな町、
ペットワースのユニークな家に滞在している義兄夫婦と合流することになっていました。
まるで「ポツンと一軒家」なその家はナショナル・トラストの敷地と隣接した農場の中にありました。
「えー、、こんな何もないところに泊まるの。。。涙」と、
がっくりしていたのですが中へ入ってびっくり!まるで現代美術館の様な家だったのです。

高い天井、コンクリートの内装に世界中から家主の感性で集められた
絵画、リトグラフ、写真、彫刻から古いタペストリーなどが飾られていました。
私たちが泊まる部屋は3階で、陽の光に包まれて天国に上がっていくような階段!
と思ったら映画「天国の階段」からのイメージだそう。
さすが建築家の家主!しかもこの家のインスピレーションは70年代のタルコフスキー映画「ストーカー」だと。

木陰があれば外のテーブルで食事したり、好きな場所で本を読んだり。
羊や鹿、雉の様子をバスタブからも眺められ、夜は星がとっても綺麗です。

ちょっと散歩しよう!と言われ、歩いた場所はナショナルトラストが管理する広大な敷地。
鹿がいるよ!と目をやると、それはまるで「バンビ」の世界に入ってしまったかのよう。
野生の鹿たちは私たちに気づくと皆首をあげこっちを見たと思ったら一目散に逃げていきます。
敷地が広大すぎてもはやハイキング?感満載ですが進むしかありません。
遥か遠くに小さくお屋敷が見え、そこまで歩くと判明した(苦笑)。

そのお屋敷の名前はペットワース・ハウス。
広大な敷地は約86万坪。野生の鹿が生息する「鹿庭園」とのこと。
英国きっての名邸宅の庭園を設計した風景式庭園が得意な造園家のランスロット・”ケイパビリティ”・ブラウン。
庭のスケールが違いすぎて頭混乱です。

お屋敷には美術品コレクターだった第3代エグレモント伯爵が絵画や彫刻などの収集や多くの
芸術家のパトロンとなって資金援助をしたことで美術館のようなコレクションが飾られています。
19世紀を代表する風景画家のJ.M.W.ターナーも滞在し絵を描いているので、
ターナーの絵が幾点も。他にもヴァン・ダイク、ゲインズボロ、レイノルズ、ボッシュなども見ることができます。
そして使用人スペースの展示もあり、
ドラマ「ダウントン・アビー」のあの使用人たちが目の前で忙しく動いている姿が浮かんできて、そんな角度からも楽しめました。

ペットワースは、古い町並みにアンティークショップやアートギャラリーも多く町歩きも楽しめます。
ファーマシーでエプソム・ソルトを買って、足の疲れを癒すのに鹿を見ながらのバスタイムは最高のデトックスでした。
姪がそっとコーヒーのカクテルを持ってきてくれたりで至福の時間にもなりました♪

最初、ポツンと一軒家に唖然とした私でしたが、静かで自然の音だけが聞こえ、
太陽の光で変わる景色、シンプルモダンでアートに囲まれたくつろぎの空間にすっかり魅了されたのでした。

writer ライター

ケーシー綾子

ケーシー綾子

ファッションデザイナー、広告代理店、雑誌&HP編集、国内外のイベントプロデュース等様々なオシゴトを経験。現在はひょっこり授かった娘の育児に奮闘中。アートと自然を巡る旅が大好き。日常や旅先で出会う小さな発見に大感動するハッピーさん。
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ケーシー綾子
ファッションデザイナー、広告代理店、雑誌&HP編集、国内外のイベントプロデュース等様々なオシゴトを経験。現在はひょっこり授かった娘の育児に奮闘中。アートと自然を巡る旅が大好き。日常や旅先で出会う小さな発見に大感動するハッピーさん。
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