3月に入り、昨秋11月に生地の厚み順に6型続いたお仕立ては終盤に入り、
いよいよ春迎えの薄手リネンブラウスまでたどり着きました。
このブラウスとドロワーズは、昨秋の個展でオーダーを承った春夏物新作なのですが、
年始からお願いするはずだった石川県の縫製工場が能登半島地震で被災され、
お願いできなくなってしまい、意を決しすべて私が縫製することにしました。
約4ヶ月間に数十着も仕立てたことは人生初めての経験で不安もありましたが、
石川県の縫製工場の方々に思いを馳せ、必死な思いが春を遅らせてくれたのか、
まだ寒いうちにケガもなくゴールが見えてきて、安堵しています。
透けるように繊細な美しいオフホワイトの生地は、ベルギーリネン、
アトリエも気分も春を迎えたように優しい光に包まれています。
中世フランドル地方をテーマに、くりひろげたお洋服たちも残すところあと数着、
最後まで丁寧に仕上げたいと思っています。
春が進み、状況が整ったなら、
新しいデザインの縫製を今度こそ、あの工場にお願いして、
小さなアトリエを支えて下さるベテラン職人の方々とまたお仕事をしたい思いでいっぱいです。
そして、明日は3月11日 心静かに過ごしたいと思います。
writer ライター
LM
モード評論、アパレルMDを経て独立。
約10年の山暮らしを経て、東京にUターン。
天然素材の服と雑貨のアトリエを運営。
HP: アトリエ「&R」
http://and-robe.shop-pro.jp/
約10年の山暮らしを経て、東京にUターン。
天然素材の服と雑貨のアトリエを運営。
HP: アトリエ「&R」
http://and-robe.shop-pro.jp/