金魚

早坂 誠|2019年7月25日


夏の風物詩の一つ「金魚すくい」
日本文化の一つであると思い、依頼があれば年に数回は神社のお祭りや、
ワークショップの付属として行うこともある
一方で、主役が生き物。
ましては命あるものを取り扱うものとしてどういった見方をするのか時折考えることがある。
ひと昔前は多くの玄関先、もしくは家の中で泳いでた金魚。 
私自身もこの仕事をするきっかけの一つになっていることには間違えない。

子供のころから玄関にいろいろな金魚が泳いでした。
いろいろということは、一般的な ワキン からリュウキンやオランダシシガシラ、タンチョウ、デメキンなどなど。
それが定期的に入れ替わっているということは、命尽きては足し、
尽きては足しの繰り返しを行っていたことになる。
今となっては原因はいろいろであるが、思うに、
今も昔も、「金魚」という人の技術で姿形を変えて次々を生まれてくる「生き物」。
本来自然の中では到底淘汰される魚である。飼育している中でも様々な出来事、
トラブルが付きまとい、立派に育つものもあれば、早々と居なくなってしまうものもいながら、
飼育していることがごくごく自然であり、
それが少し前の日本の家庭の生き物を飼育するスタイルであったことには違いない。

現在では住宅事情や家族構成、趣味の多様化で金魚を見る家庭も決して多くはないけれども、居たらいたで眺めたくなる。
生き物を飼育することの意味を、特に子供の教育的に良しとする研究や
、大人たちのストレス軽減効果に求める動きもあるが、
(特に業界では、飼育するきっかけをつくるために熱心にうたうところもある)
何よりもまずは「いきものを飼育する楽しさ」を味わうことを感じるべきである。

それはプログラムされていない意外性の楽しさと成長の楽しさといなくなることへの寂しさも次につながる楽しさとして、味わうことだと思う。
子供のころに家の水槽の金魚で釣り針にパンをつけて魚釣りをしたときの思い出も結果的に現在につながっている運命を感じつつ、
人の手で作られた「生き物」たちを飼育する意味を改めて考えていきたいと思う。

writer ライター
早坂 誠
「水辺の動植物」の販売・管理・展示を行う
有限会社エイチツー 代表
ビオトープ計画・施工管理士
愛玩動物飼養管理士
観賞魚飼育管理士
著書「水草水槽のススメ」
関心事:音楽と生きもの。自家製梅干し。サンマの塩焼き。