落陽

多羅尾 伴内|2022年7月26日


45年くらい前、バイトしては旅をしていた。
毎回が貧乏旅であり、周遊券を使用して夜行列車をホテル代わりに…
その旅も和歌山と三重を結ぶ紀勢本線を何度か往復し、
途中下車しながら日ノ岬アメリカ村や串本潮岬、
伊勢大王崎など太平洋を身近に感じながら旅していた。
それが、新宮の熊野川を見て、バスで上流の温泉地を目指すことに。
湯ノ峰温泉、ここで優しいジイ様と出会いました。
ひなびた山中の温泉街でしたが、飛び込んだ宿は満室…
でも相部屋可能の常連客がいらっしゃると。
一夜限りでしたが、楽しく、充実した時間を過ごさせて頂いた。
食事が終わると、半紙で食器を拭く所作…
静かに、ゆっくりと口に運ぶ盃…
旅の最後の夜を演出していただきました。

翌朝、宿からちょっと離れたバス停まで送ってくださり、見送ってくださいました。
別れ間際に手渡されたのは、小さなオールドの小瓶に入れたお酒…

吉田拓郎の落陽を聴くと、思い出されます。
大阪府門真市の方で、暫く手紙や賀状のやり取りをしていましたねぇ…

writer ライター

多羅尾 伴内

多羅尾 伴内

酒と旅と歌をこよなく愛し、
それらが焚き火とともにあれば、千夜一夜の話を紡ぎ出す…
そんなステキな話をお伝え出来れば…遥か九州の地より、愛を込めて
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多羅尾 伴内
酒と旅と歌をこよなく愛し、
それらが焚き火とともにあれば、千夜一夜の話を紡ぎ出す…
そんなステキな話をお伝え出来れば…遥か九州の地より、愛を込めて
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