思い出はピカピカに

中館慶子|2022年3月30日

新入学、新社会人がまぶしく輝く季節。
4月から会社にも社会人一年生が入社する。

年季が入ってくすんで汚れたデスクを
少しでもマシにしようと磨く。
心の中で「新しいのじゃなくてゴメン!」と謝りながら。
小学校の入学時に勉強机を買ってあげられなかった
母親のような心境に陥り、なんだか切なくなる。
そんな経験はないが、親子以上に歳が離れているわけだし。
PCやオフィスチェアは新しいのを準備し、
デスクライトやダストボックスはどうしよう、
アレは必要?コレも欲しいかな?
などと勝手にソワソワ。

きっと家族も私が小学校に入学するときは
いろんな思いを抱えてたくさん揃えてくれたのだろう。
ランドセル、運動靴、色鉛筆に筆箱にノート。
何十年も昔のことで、
今は何ひとつ残っていないが、
どれもピカピカと
鮮明な色を成して思い出すことができる。

そんな感傷に浸っているというのも、
桜が咲いたせいかな。
東京よりひと月後に咲く北海道の桜。
ひとりでは外出ができなくなった母を外に連れ出し
昔話しでもしながら一緒に見たいなあ。

writer ライター

中館慶子

中館慶子

北海道生まれ。
仕事でもプライベートでも、どっぷり活字と深い仲。
よく食べ・よく飲み・よく眠り、
合間を縫ってはホットヨガでツリーポーズ。
走ることも大好きで、夢は、いつかはフルマラソン!
わくわくする場所は海と本屋さん。
writer ライター
中館慶子
北海道生まれ。
仕事でもプライベートでも、どっぷり活字と深い仲。
よく食べ・よく飲み・よく眠り、
合間を縫ってはホットヨガでツリーポーズ。
走ることも大好きで、夢は、いつかはフルマラソン!
わくわくする場所は海と本屋さん。
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