秋の色

早坂 誠|2021年12月16日

この時期になると街路を彩る黄色が気になることがある。
特に高速道路を走行しているとススキと共に競い合うように
背丈を伸ばす草体を見ながら車を走らせる。

私もつい数年前から、「セイタカアワダチソウ」という言葉を
頻繁に発するようになった。
日本の侵略的外来種ワースト100.外来生物法で要注意外来生物に指定された
植物である。
ビオトープという観点から見ると、ここに依存している動物がいないわけではなかろう。
しかし本来は海外からの移入植物である。
北米原産という気候も手伝って日本での越冬は根出葉として冬を過ごすことも容易。
何よりもセイタカアワダチソウのアレロパシー効果(植物が放出す
る化学物質が他の生物に阻害的あるいは促進的な何らかの作用を及ぼす現象)
がものを言わせ、他の植物を寄せ付けにくくしながらその土地の地主になる
戦略である。
私の遊び場であった、大森、大井の京浜、埋め立て地区近辺では
空き地が広がっていた数十年前、わずかな記憶でも、そこら中に
この黄色い花が咲いていたはずである。

そのような植物にスポットを当てる理由は、
先に述べたビオトープを学ぶときにこの植物の存在自体が大いに勉強になるためである・
要注意外来でありながら、町中に今だ多く生育している。しかも今だに名前すら知らない
人が多いこと。
根から揮発するアレロパシーが他の植物の成長を阻害させる性質のしたたかさ。
それでいて秋から冬にかけて美しい(見る人によってだが・・)黄色い花を一面に咲かせる草体
と花粉は虫媒(植物の花粉を昆虫が運び、受粉を媒介)の為アレルゲンにならないといわれる安心感・・・。
キク科で葉は天ぷらにも出来き、花の蜜も甘いといわれる利用性。(ただし日本では利用されているとは
あまり聞かれない。一部推奨しているHPもある程度のような・・・)

今後、利用性が上がれば、誰でもどこでもその価値に気づけば、意図的駆除をせずとも
上手く共生できるであろう。

そのようなことを毎回 学生に話すことで、私自身もこの植物との距離が毎年近くなっていると感じている。
そのうち葉や花を摘んで試してみる時かもしれない。

writer ライター

早坂 誠

早坂 誠

「水辺の動植物」の販売・管理・展示を行う
有限会社エイチツー 代表
ビオトープ計画・施工管理士
愛玩動物飼養管理士
観賞魚飼育管理士
著書「水草水槽のススメ」
関心事:音楽と生きもの。自家製梅干し。サンマの塩焼き。
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早坂 誠
「水辺の動植物」の販売・管理・展示を行う
有限会社エイチツー 代表
ビオトープ計画・施工管理士
愛玩動物飼養管理士
観賞魚飼育管理士
著書「水草水槽のススメ」
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