干支と正月の室礼

干支の話と室礼

干支と正月の室礼
<干支蒔絵皿の室礼>干支蒔絵皿(輪島塗)「福豆をついばむ酉」、正月花、木地の羽子板、つくばね草

干支の話と室礼

師走にはいり、今年も暮れるころになりました。この季節は年の締めと始まりを迎える時季になりますので、心身ともにせわしなくなります。終わりよければすべて良しのことわざの様に、私たち日本人は新しい年を迎えるため、家中の大掃除をしたり、新たな年神を迎えるお餅やおせち料理をこしらえたり、一年の汚れを被うために除夜の鐘を鳴らしたりしてきました。
そして年の入れ替わりには干支も入れ替わります。干支とは十二支といって十二種の動物が各年の象徴とされます。十二支の起源は中国にありますが、年・日・時刻を表したり、陰陽五行では方角を表すために用いられていました。私の関わりの深いネパールのお土産物にも、旧暦のカレンダーに十二支が記されています。
きて、年賀状でもお馴染みの十二支を順番に、子(ねずみ)、丑(うし)、寅(とら)、卯(うさぎ)、辰(たつ)、巳(み・へぴ)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戊(いぬ)、亥(いのしし)の12獣となります。
これらの動物は、普段の私たちの生活にも身近なところで使われています。下の図をご覧になってください。この円図は時刻、方角、季節を表しています。時計では時の位置は子(ねずみ)になり、6時の位置は午(うま)
になります。これをつなげると子午、つまり地球の「子午線」を意味することができます。東西南北の四方位が子・卯・午・百に配当されるのに加えて、北東・南東・南西・北西はそれぞれ『うしとら」「たつみ」「ひつじさる」「いぬい」と呼ばれます。

十二支図

他にも夜中の最も不気味な時刻を「丑三つ時(うしみつどき)」呼びますが、これは丑(うし)の時刻と寅(とら)の時刻の間を四等分にした三つ目という意味で方角的には「鬼門」とも呼ばれます。幽霊や魔物が出る時刻とされ、鬼門の方角に住む恐ろしい「鬼」の頭には丑(うし)の角があり、ふんどしは寅(とら)の皮製です。

2017年の十ご支は10番目の動物、酉(とり)になります。酉(とり)は西の方角を意味し、四季では秋口、ちょうど新酒を造る頃になります。酉(とり)の漢字の由来は酒にあるそうですが、これにちなみ来年は日本各地で特に良いお酒ができるかもしれませんね。
皆さまにとって2017年が烏のように高く大きく羽ばたく一年になりますように。

私ごとになりますが、例年、輪島塗「大崎漆器店 四代目大崎庄右エ門』さまが出される『干支蒔絵皿』の図案を描かせていただいております。お正月の室礼にたいへん素敵にお使いいただけると思います。

(文・室礼/すずきあき)

大崎漆器店 四代目大崎庄右エ門

「大崎漆器店 四代目大崎庄有エ門」/大崎漆器店
http://www.osakisyoemon.jp/
石川県輪島市鳳至町上町28/TEL:0768-22-0128

お正月の室礼
<お正月の室礼>鏡餅(年神の意)、千両と松の生け込み


素材提供:歳時あそびの会
「歳時あそびの会」は行事にこめられた意味を知り、ふだんの生活の中で日本の四季折々の季節感を愉しめる会です。ワークショップを通じて、四季折々のものを飾ったり、味わったり、作ったりします。不定期の開催となりますが、どなたでも気軽にご参加いただけます。
http://blog.livedoor.jp/saijiasobi/

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