COLUMN連載コラム

オトナのトミカ ホンダ S660

オトナのトミカ

今回の巻頭特集のように、月見が似合う季節になった。日中はまだ熱さは厳しいけれど、夕刻ともなると時折の涼しい風がなんとも心地よい。これからの季節、最高の乗り物がオープンカー。風を感じ、風と一体となる。なんとも言えない爽快感。
スポーツカー市場はここ数年大きく販売台数を伸ばし、昨年は5年間の7倍の4万2500台。500万台という新車販売衣台数からすれば1%にも満たない小さなマーケットだけれど、その姿(外観デザイン)がかっこいいものだから、街で目立ち、存在感は抜群。
販売を牽引するのは、50代のオヤジたち。カッコよく言えば、アクティブシニアだが、子育てを終え、会社人生も何となく先が読めた、人生後半悟り世代。(団塊世代と異なり決して裕福ではなく、プチしあわせ感に満足する世代だ。)
まさに自分がリアル世代なので実感する。あの頃…20代の僕らにとって、なくてはならないものが、バイクでありクルマだった。友人や彼女を乗せ、そこらじゅう駆け巡った。今の同世代の若者達とは全く異なる毎日だった。当時、何十誌もあったバイク、クルマ雑誌は若者達のバイブルで、何冊も食い入るように読みあさり、友人と会話も雑誌で仕入れた知識の語り合いだった。それほどバイク、クルマ三昧の日々だった。メーカー各社も挙って新車を出し、僕らをワクワクさせてくれた。特にホンダはまさに時代のパイオニアで、デザインも技術も他社から一歩も二歩も抜きん出ていた。
あの時代から30年、そんな僕らをターゲットに、「あの時の夢の実現」と各社一斉にスポーツカーを投入し、今のマーケットができている。そして、ホンダが2015年S660を発売した。それは、1996年に販売を中止したビートの後継として約20年ぶりに搭乗した軽のオープンカー。ワクワクするデザイン、技術で、久々にホンダらしいくるま。開発責任者も入社4年目の弱冠27歳の若者。こうした大胆な若手の起用もホンダらしい。やっぱりこうでなくっちゃ、ホンダは!
最近のホンダは、あの頃の元気や勢いがなく残念な気持ちでいっぱいだったから、このS660の登場はなんともうれしい。
当の自分も、トミカのS660を眺めて楽しんでいる場合ではない。さっさとこの車を購入し、あの頃のように、ノーテンキにドライビングを楽しまなくては。

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